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マスターズ国別対抗戦で活躍 福田勝志プロインタビュー!

ルーセントのテニス実業団チーム「ルーセントアスリートワークス」に所属するプロテニスプレーヤー・福田勝志選手が、「ITF World Tennis Masters Tour 35、40、45 World Team Championships(マスターズツアー35、40、45歳 世界国別対抗戦)」(7月31日~8月5日、ポルトガル・リスボン)の45歳以上の部に日本代表として出場しました!

福田選手はシングルス、ダブルス両方に出場。対戦成績はシングルス4勝2敗、ダブルスは2勝0敗でした。チームは23ヶ国中9位の成績をあげました。

 

ベテランの大会に初出場で、日本代表チームの一員としてプレーした福田選手。海外選手と渡り合った大会について、お話を伺いました!

 

――シングルス、ダブルスともに出場しましたが、当初からその予定だったんですか?

基本的にはシングルスに出ることになっていました。対戦相手の様子を見たり、チームメイトの調子でダブルスにも出させていただきました。

――9位という結果について、どう捉えていますか?

佐藤政大さんに見せてもらった昨年の試合の動画から、ハイレベルな戦いになると思っていて、どこまで自分たちが通用するかというチャレンジでした。そして23ヶ国中9位という1ケタ台で終えられたことは、良かったのではないかと思います。もちろん世界一を目指していたのでもっと上にはいきたかったですが。

 

――予選リーグは2位通過ということでした。

2戦目のアメリカ戦は、勝てれば1位通過の可能性が見えていた試合でした。シングルスで3時間半の長丁場でしたが、最後惜しくも敗れてしまいました。ここを勝ち切れていれば、違う展開になったのかなという悔いはあります。

――海外の選手は日本の選手と違いましたか?

一言でいえば、パワーが違いました。僕は国内では一般で試合をしていますが、日本の若いプレーヤーに比べても遜色ない感じです。むしろ海外選手独特のパワーというか、重さがありますね。そしてスピン量が多く、ボールが跳ね上がります。さらに背が高い選手も多くて打点が高いなと感じました。なので、肩より上の位置で取らされる場面が多かったですね。必然的に後ろに下がって打ちがちになってしまうのですが、ドロップショットを打たれて前には知らされてしまう。そういう前後のゆさぶりが多かったですね。その対応に苦労しましたね。

 

――日本ではあまりないクレーコートでの戦いでしたが、勝利のポイントは?

クレーコートはボールのスピードが落ちるので、ラリーが続く展開になります。僕は粘り強くボールを拾っていくスタイルなので、続けていくと相手も疲れてミスが出ました。勝てた試合は、そういう粘り勝ちですね。

――そういう意味ではクレーは、実は合っていると感じましたか?

ところがですね、高い打点で打つことに慣れていないので難しかったです。あとは、イレギュラーなバウンドも多いので、タイミングがズレてうまく打てなかったり。自分の強みが活かせた場面もありましたが、得意かと聞かれたら、そうでもないと思います(笑)。

 

――緊張はしましたか?

団体戦、しかも日本を背負っているということを意識すると、いつも以上に緊張しているなとは思いました。その緊張がいい方向に働いたこともありますが、負けた試合は緊張し過ぎた部分もありましたね。

 

――応援旗をもらっていました。

テニスクラブの生徒さんからたくさんコメントを書いてもらいました。インスタの投稿もチェックしてくれていて、帰国後に「見てました」って言われましたね。海外の選手も見てくれて「これカッコいいから写真撮ろうよ!」って撮りました。そしたらみんな旗の前に立って、旗がよく見えなくなるっていう(笑)。

 

――思い出深い試合は?

やはり初戦のエストニアです。自分のシニアデビューであり、チームの初戦ということもあり、ここで勝てるかどうかで今後の勢いが決まるという試合でした。しっかりと勝ち切れたことは大きかったですね。ある程度、シニアでも戦えるなという手ごたえはつかめました。

 

――ダブルスはどうでしたか?

有本尚紀さんとは以前組んだこともあるので、大体のイメージはできていました。「任せすぎない」という意識を持っていました。センターのボールをお見合いでもしたら大変ですから! そうして積極的に動いたことでボールに触れて、それきっかけで有本さんが決めたり僕が決めたりできました。有本さんに負担もかけることなかったので、その意識で動けたことはよかったです。

 

有本さんはやはりサーブがすごいです。200km近いスピードなので、有本さんのサービスゲームはチャンスボールが来やすいんです。なので自分が決めに行こうと考えていましたね。

――ほかのメンバーの印象を教えてください。

細川敬介さんは身長が高く、そこから繰り出されるサーブがすごいです。そして、大事な場面でエース級のサーブを打てることが素晴らしいですね。ストロークも力強く、しっかりと重い球を打っているという印象です。

 

右近貴志さんは本当にタッチセンスがすごかったです。ボレーやスライスがネットすれすれを通っていくんです。「そこ打てるんだ!」という軌道も多く、驚きました!

 

佐藤さんは今回コーチとしてサポート役に徹してくれました。おそらく出たい気持ちもあったと思いますが、それを抑えてチームを盛り上げてサポートしてくれました。

 

――チームの雰囲気はどうでしたか?

今回は僕が一番年下だったので、みなさん年上の落ち着いた大人のオーラがありました。有本さんが英語とスペイン語を話せるので、対戦相手とのコミュニケーションをフォローしてくれたり、明るく盛り上げてくれましたね。

 

――現地でトラブルなどあったのでしょうか?

それがまったくなかったです(笑)。治安もよく、気温も30度くらいで過ごしやすかったです。食事も美味しかったですし、ものすごく快適でした(笑)。日本に戻ってきて、あまりの暑さと湿度に体調崩しそうになりました(笑)。

 

――大会の雰囲気はどういうものでしたか?

みんな45歳以上なので、余裕がありますね。ベテランならではの雰囲気です。試合前に「写真撮ろうよ~」って撮って、試合中は切り替えて真剣に打ち合って、終ったらお互い健闘を讃え合うという、スポーツマンな感じでした。

 

――お土産交換が伝統だとか。

そうですね、他の大会では見られないです。各国いろいろなものを渡していました。リストバンドとかペナントとか……インドからはキャンドルみたいなものをもらいました!  日本はTシャツを交換しました。それを持っていくのが大荷物で大変そうでしたね(笑)。

あと、ユニフォーム交換もありましたね。僕はカッコいいやつがほしいと思って、フランスとカナダの方に交換してもらいました!

――出場してみて、周囲の反応はどうでしたか?

今回の出場で、ベテランの選手はもちろん、一般の選手にもマスターズのことを知ってもらえました。大会前の試合で話題に出してくれたり、インスタの投稿にみなさん反応してくれたりしました。「引退した後でも、そういう世界があるんだ」と感じてもらえたようです。一般とベテランの橋渡しが、少しできたかなと思いました。そういう意味でも、僕がベテランの大会に出る意義はあるなと。

 

――この大会を経て、目標ができたと聞きました。

今大会に出場させていただいて、本当に素晴らしいなと思いました。来年トルコで開催されるので、また出場できるように、そして出場できたら勝てるように練習していきます! クレーコートで戦えるようになります!!

 

海外での試合もしてみたいですね。国内との兼ね合いがあるので、時機を見て行けそうならチャレンジしたいです。今回、ヨーロッパ勢のレベルの高さを感じたので、ヨーロッパのクレーコートで試合してみたいですね。

 

――福田選手の次の目標は何でしょうか?

全日本テニス選手権優勝です! 今年出場できれば28回目の出場です。応援よろしくお願いします!

 

――ありがとうございました!

 

福田勝志

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